記録と語り 記録に残ったことと、後から語られた話を分けて見る

史料ガイド

『惟任退治記』これとうたいじき

同じ時代の記録 出来事と同じころに書かれたもの。いちばん重い。ただし書き手の立場は考える

書いた人大村由己(おおむら ゆうこ)
いつ1582年(天正10)10月15日 奥書
使っている章第一章「誰でもなかった兄弟」

一どんな本か

本能寺の変と山崎の戦いを、秀吉の側から書いたもの。書いた大村由己は秀吉の御伽衆(おとぎしゅう)で、秀吉の事績を記録する役目を担っていました。『天正記』と呼ばれる一連の記録のひとつです。

二読むときに気をつけること

秀吉の身内が、秀吉のために書いたものです。出来事と同じ年に書かれているので時期は近いのですが、内容は秀吉の立場からの説明だと考えて読む必要があります。

このシリーズで重要なのは、ここに「秀吉所生、元是非貴」(秀吉の生まれはもともと貴いものではない)とある点です。3年後、同じ由己が正反対のことを書きます(『任官之記』)。

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