史料ガイド
『信長公記』しんちょうこうき
同じ時代の記録 出来事と同じころに書かれたもの。いちばん重い。ただし書き手の立場は考える
| 書いた人 | 太田牛一(おおた ぎゅういち) |
|---|---|
| いつ | 1598年ごろまでに成立とされる |
| 使っている章 | 第一章「誰でもなかった兄弟」、第二章「兄に呼ばれた弟」 |
一どんな本か
織田信長に仕えた太田牛一が、信長の生涯を年ごとにまとめたもの。信長の時代を知るうえで最も重んじられる記録です。上洛前を記した「首巻」と、永禄11年(1568)からの巻一〜十五に分かれます。
二読むときに気をつけること
このシリーズでは「藤吉郎が出てこない」ことの証拠として何度も使います。首巻には藤吉郎が一度も出てきません。美濃攻め(森部・十四条・伊木山・堂洞・稲葉山)にも、墨俣の要害にも、名前がないのです。藤吉郎が初めて出るのは巻一、永禄11年の上洛戦(箕作城攻め)。「後の本では藤吉郎の手柄になっている出来事が、同じ時代の記録では誰の手柄とも書かれていない」という形がくり返し現れます。
なお牛一は信長の家臣なので、信長に不利なことは書きにくい立場でもあります。写本によって本文が違う点にも注意が要ります(当チャンネルが参照しているのは町田本系の翻刻)。