記録と語り 記録に残ったことと、後から語られた話を分けて見る

史料ガイド

『太閤素生記』たいこうすじょうき

後の時代の本 出来事から時間がたってから書かれたもの。よく知られた逸話の多くはここから出る

書いた人土屋知貞(つちや ともさだ)とされる
いつ17世紀
使っている章第一章「誰でもなかった兄弟」、第二章「兄に呼ばれた弟」

一どんな本か

秀吉の出自と若いころを、聞き書きの形でまとめたもの。秀吉の家族について伝える基本の史料のひとつとされます。

二読むときに気をつけること

誤りも多いとされますが、情報源に見どころがあります。作者の養母は中村の代官の娘で秀吉と同年代、祖母は浜松城主・飯尾豊前の娘で16歳の秀吉に会っていた、と伝えられます。つまり秀吉を直接知る人の話が混じっている可能性があります。

このシリーズでは次の点で使います。

- 生年を「天文五年正月大朔日、日の出とともに誕生」=1536年元日とする(『任官之記』の1537年説と食い違う)- 実父を「木下弥右衛門」、竹阿弥を母の再婚相手とし、秀長を「秀吉ト種替リノ子」(父違いの子)とする- 幼名を「猿」とする(『甫庵太閤記』の「日吉丸」と食い違う)- ねね本人が語った話として、質素な祝言の様子を伝える

翻刻の解題も「作者詳ならす」としていて、成立の事情ははっきりしません。

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